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よく女性は地図が読めないと言われますがコレは何か根拠があって言っていることなのでしょうか。そう言われるたびに何かすっきりしない気分になるのですが、というのも私は地図を見るのが大好きなんです。地図をみて、地形を想像してあれこれ考えるのが好き。通ったとこ、歩いたとこをなぞってみるのが好き。 一番好きな地図は東京都の区分地図。これを与えられたら軽く1時間でも2時間でも眺めていられます。東京を散歩する時はよく電車の中でこの地図を広げているのですが、いつもすごく真剣。その眼差したるや傍から見るときっと都会に初めて遊びにでてきて迷子にならないように必死になってるオノボリサン状態。 ちなみに愛用している東京の地図は30年以上も前の地図です。母が若いころに使っていたのが家の本棚にあって、それを勝手に持ち出して使ってるだけなのですが。初めは新しいのを買うのが面倒で仕方なく古い地図を使っていたのですが、使っているうちに愛着が湧いてきて新しいものが欲しくなくなってしまった。もちろんなくなったビルがあったり、新しく開発されたエリアがあったり、地下鉄が増えていたり(これが一番困る)…と変わっているところもたくさんありますが、結構使えるものなんですね。それというのも、ビルが建てられても道路や街区自体には変更がないことが多いからなんです。六本木はヒルズもミッドタウンも私の地図には載っていないけれど、道路を辿れば十分使えます。むしろ、あー、道って何十年経っても変わらないんだね、という事実を歩くたびに実感できて得るものも多いです。例えば今自分が歩いている道がカーブしていて、それと全く同じラインを昔の地図で見つけると、時間の連続性が感じられて感動してしまう。そういう発見ってとても嬉しいものです。 (ちょっと前に江戸時代の古地図が流行ってたけど、そのブームもこんな時代の重なりを楽しいと思う人が多かったのかなと思います。江戸~東京の都市の歴史も面白いのです) と、話がそれました…が、そんな私がシリアの地図を広げたときにふっと魅かれた点はひとつ。 あら、あの有名なユーフラテスがあるじゃないの。 これはいかなきゃ。 ということで、そんな川を目指して行ったのはシリア北部のデリゾールという街。 アレッポという街から列車で行きました。小さな街です。 市場。 ユーフラテスのほとりにこの街はあるのですが、それを見に行く前に遺跡を一つ見学します。え、どんな遺跡かって?ユーフラテスに面している遺跡です。今日は有無を言わさずユーフラテスづくし!! 目指すのはデリゾールから1時間半くらいのところにあるセレウコス朝時代のドゥラ・エロウポスという遺跡。 なーーんにもないところに、 ぽっつん、とただ一つだけある遺跡。 門。 ここには何があるかといいますと、 なにもありません。これでも入場料払った門の中です。 約1キロ四方に亘る、ほとんど何もない(ように見える)広大な敷地に、 ぽつぽつと残る神殿跡やら住居跡。 それぞれは貴重な遺跡の一部なんでしょうけど、柱や回廊がドーンと残ったりしていない、いわば遺跡の残り方(?!)としては素人には一番難しいタイプのものです。つまりは価値がよくわからんのです。 いや、季節がよかったら、在りし日の風景に思いを巡らせながら歩いたりして感傷になぞ浸っていたかもしれない… 季節がよかったら。 ここは地獄でした。 着いた時間帯も悪かったのですが、ご覧のとおり日影が皆無。 このあたりを旅行していて思ったのが、日差しは暑いけど日影に入れば結構涼しい。おまけに風が吹いてくれれば心地いいくらいの気候。他の遺跡を見学していても、疲れたな~と思ったら柱や壁の影に身を寄せて水を飲んで休憩。しばらく風に吹かれていると気持ちよくなってきさえする、そんなお天気なのです。 しかしここは逃げ場がありません。ガンガンに照りつける太陽にさらされ続ける体。フライパンの上の目玉焼きってこんな気分なんだろうか…暑い、そして逃げられない。過酷な場所、体力がどんどん吸い取られてく。 ローマ劇場跡なんかも一応あったのですが、、あれこれ考える余裕一切なし。とりあえず、写真。それだけ。 ほんっと、きつかった。 でもそんな中、見たかったものはちゃんとそこにあったんです。 遺跡の端まで歩いて行って、ふっと視線が切れた先に見えた緑とブルー。心が震えました。 遺跡から望むユーフラテス川は圧巻。まさに息をのむ風景。 信じられますか?私は目の前にある景色が理解できませんでした。なんにもない土と砂だらけの風景が私の後ろにはあって、一方目の前には青々とした川と畑が広がっている。川の向こう岸、その奥にはまた土の世界が続いている。土、水、土のレイヤー、そのボーダーは緩やかなものではなくて、きっぱりと茶と緑の世界とを分断している。これでもかというくらい鮮明な境界線。川が与えるものってこんなにも大きいのだろうか…。 ここに来たかったのはユーフラテスと遺跡を一緒に見たかったから。ユーフラテスが見える遺跡、これだけが見たくて。どんな景色が待っているのかワクワクしながら辿り着いたら、想像以上の素晴らしい景色が広がっていて、あまりにきれいで、あまりに嬉しくって、心が喜んで、いつの間にか笑顔になっていました。 せっかくなので遺跡の下まで下りて行きます。 川面。 川の水はきれいで澄んでいました。 この川を下って行ったところに、メソポタミア文明発祥の都市国家があったんですね。数千年前も同じような風景が広がっていたのでしょうか。悠久という言葉がぴったりの雄大さ。 普段はあまり思わないのですが、旅行に出ると男だったらな~と思うことが多いです。シャワー浴びた後パンツ一丁でいられたらどんなに楽か。本当はざぶざぶ水の中に入りたかったのですが、足だけでがまん。小さな魚がたくさんいて、私の足首のところをツンツンしてきました。くすぐったい。水の中に草が見えたので、卵か何かあったのかな? 貝もありました。 暑さにやられ、しかしユーフラテスには大いに感動して、さあ帰ります。満足です、あの景色が望めただけで来た甲斐がありました。 道路に出て乗り合いのバスが通りかかるのを待っていると… 遠くに竜巻…?え、こっちにくる?!周りをきょろきょろ見回しますがもちろん逃げ込めそうなところはありません。 砂の大地にぽつんと一人。恐いヨーー、早くバス来てよーー!! そういう時に限ってバスは止まってくれない。2台のバスに無情にも無視され3台目、竜巻(かどうかは不明)が怖くって手をブンブン必死の形相で振っていたら満員にもかかわらずピックしてくれました。ありがとー。 さて、デリゾールに戻ってきて、またまた飽きずにユーフラテスを見に行きます。 ここで狙っていたのが夕陽と朝陽。このブログを(熱心に)ご覧になってる方はもうお気づきかもしれませんが・・・私は朝陽と夕陽が大好きなのです。正確には、その時間帯の空と空気の色が。 デリゾールではきっときれいな朝陽と夕陽が見られるゾーと楽しみにしていました。ですが先ほどの遺跡見学で予想以上に体力を使い果たし、体はヘトヘト、動けない。午後はしばらく昼寝をして…そう、目覚ましをセットして… ぐう。目覚まし…聞こえず。 「ハッ!!」 と目が覚めた時には日の入り時間ギリギリ。慌ててカメラを抱えて川を目指します。ホテルから歩いて20分くらいです。 夕陽を気にしながら歩いていると、 月が。 結局日の入りには間に合いませんでした。 でも空が染まる夕焼けには間に合いました。 きれいだなぁ。かーーっと染め上げられる空と川。 じーん、と一人感傷に浸って …いたかったのだけど、ここはデリゾール市民の憩いの場でもあるらしい。そして彼らはほとんど例外なく人懐っこくカメラ好き。次々に現れる人、人、人が、私を一人にしてくれない。写真撮って、話して、また撮って(1枚でいいだろーが!!)…そうこうしている間にも、空の色はどんどん暗くなっていく。あぁ、私はこれが見たくてわざわざこんな遠くまで来たのにー!カマワナイデーー!ヒトリニサセテーー! と思いながらも、こういう温かい人との出会いが一人旅の私を救ってくれるものだということもよく分かっているので、これもこの川との出会いだと思って受け止める。 写真を沢山撮った(撮らされた)ものの、結構ぶれてしまっていてましなのはこれくらいでした…にいちゃんたち。 日が沈んでしまったユーフラテスを後にして、晩ご飯を探してふらふら。 ここでいっか。 ごはん。 このお店の前に集まっていた若者たち。私がオーダーする時はみんながやがや店の中に入ってきていろいろと教えてくれる。とっても親切で優しい。ぶれちゃってるけど大好きな人たちだったので載せちゃいます。 ---------------- そして朝。 気合を入れて夕陽の雪辱戦。 朝はばっちりでした。 お気に入りの一枚。プラム色の朝日。 日の出。 川にかかるデリゾール橋は吊橋。騒ぐと揺れる。 鳥。 船、魚が釣れます。 よしよし、朝はさすがに人は少ないだろう…今日は邪魔されずに一人思う存分しんみりさせてもらうぞ。 …甘かった。ココは朝の散歩コースにもなってるらしい。 今日のモデルはこの3人。 写真を撮っていたら、一人のサンダルが脱げて川に落ちてしまった。 別のサンダルが流れてこないかと(くるわけないと思うのですが)待つ友人たち。日本とは時間の流れが違いすぎると実感しました。 川遊び。 さかなが釣れたそうです。 結局、ユーフラテスの朝も慌ただしく過ぎていきました。 朝のスーク。 お菓子。 以上、長々とデリゾールからお届けしました。まだ続くのー?という声が聞こえてきそうですが…次はパルミラ遺跡です。
by awatanoriko
| 2009-10-13 03:59
| ぶらり中東の旅09
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